成人の受診者のうち、実に2割程度が「自分は発達障害ではないか」という悩みを抱えてメンタルクリニックを受診されています。当院では発達障害を総合的に診断するための「発達診断コース」を設けています。
発達障害とは、生まれつき持っている脳機能の障害により、考え方や行動で人と違う特性が生じ、社会生活において不適応が起きている状態です。
発達障害は生まれながらのもので、多くの場合は子供の頃から発達障害の特性が現れます。症状の程度は人それぞれですが、学生時代はちょっと変わった人、個性的な人と思われる程度で、特に大きな問題にならない方も多いようです。しかし進学や就職など、周囲の環境が変わることで特性が表面化するようになり、大人になってから発達障害に気づく方も少なくありません。
例えば仕事で同じ失敗を繰り返したり、周囲の人とうまくコミュニケーションが取れなかったりなど、社会生活の中で生きづらさを感じる方も多いようです。周囲からは本人の努力不足やわがままなどと決めつけられ、性格的な要因と誤解されやすい面があります。仕事や人間関係のストレスで悩みを抱え込み、うつ病や適応障害、依存症などの二次障害を発症してしまうケースも少なくありません。
最近では様々なメディアで大人の発達障害が注目されています。「自分も発達障害かもしれない」と精神科や心療内科を受診される方が増えています。